スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加

高田純次の「人生の言い訳」で肩の力が抜けた

そういえば、塾のアルバイトをしていた時の、
同僚の尊敬する人は高田純次だったなぁ、
とか思いながら、初めて書籍を手に取った。

帯に書いていたが、初の「語りおろし」らしい。
これも本当かは分からないけれど。

たまたま、今日本屋に行って、
本当は適当日記を買おうと思ってたんだけど、
本屋には適当手帳とこの本が置いてあって、
タイトルに惹かれてしまい、手にとってしまった。


人生の言い訳人生の言い訳
(2010/02/26)
高田 純次

商品詳細を見る


そんで、パラパラめくって、始めのほうで、
「俺は男らしく、絶対に言い訳しない」
こんなことを言う人にかぎって、ベッドの中では、
「あれっ、おかしいな? きょうは飲みすぎたかな?」
と、こんな言い訳をしているに違いない。
という言葉を見て、
なんだか色々な肩の荷が下りた気がして、
同時に購入することを決めた。

その時思っていたたのは、
「なんて論理的なんだ」
「すごい楽になったなぁ」
「最近、自分に固執してたなぁ」
みたいなことを考えていた。

その時は、「なぜ論理的と思ったか」って話題で
久々にブログでも書きたいなぁ、なんて思っていたんだけど、
帰って読んでみたら、そんなこともうどうでも良くなった。

読後は、
「目の前のことを正直に見るんだなぁ」
「しかも、自分の尺度にこだわらないなぁ」
「スムーズに思考を進める人だなぁ」
と、高田純次の姿勢にただただ感心した。

正直に考えた結果の負の感情も含めて受け入れる。
他人に対する言い訳と自分に対する言い訳。言い訳にはこの2つがある。
(中略)
くらべると、前者が苦し紛れとはいえ、一応きっぱりとした言い訳の体を成しているのに対し、
後者はどこか決まりが悪い。
ただ、全てのことを「適当」に笑い飛ばしているわけではなくて、
他にも恥ずかしさとかを感じていることを正直に告白する。

しかし、その上で、
他人にも自分にもうまく言い訳しないと、「しこりが残る」とか、「あとを引く」、「後悔する」といったことになってしまうもんね。
(中略)
ところが、自分に対してそんな言い訳は通用しない。だって、すぐにウソだってバレちゃうもんね。
自分に対する言い訳はそこがむずかしい。なかなか自分にはウソがつけないわけだ。
しかし、高田純次は提言したい。自分にうまく言い訳しましょう、と。
1章の終わりに、そんなことを言い放ち、
2章からさまざまな言い訳について話を続ける。

「きっと幸せにするから」
という言葉から始まり、
「終電に乗り遅れちゃったね」
といった下世話なものも扱いつつ、
「まっ、いいか」
の言葉で締める。

2章を通して、
人間の適当さ、自分の弱さ、興味のなさに言及しながら、
強引ではない形で、説得力のある語りを綴っていく。

「高田純次も言ってるけど、確かに自分もそうだよなぁ」
そんな気持ちにさせられながら、言い訳について考えてしまう。

3章は「言い訳の心理学」という名前がついていて、
詐欺師の例から始まり、
言い訳をした時に生まれてしまう感情や、
相手によってつい自分に言い訳したくなる場面について語る。

そこで、
悲しい時には、なるべくそれを人に見せたくないという心理がはたらくからだと思うけど、嬉しいときはどうだろう?

もちろん嬉しいときは、悲しいときと逆で、幸せな気持ちを人に伝えたいという気持ちはあるだろう。
しかし、その反面、あんまり嬉しそうにしているとツキが落ちるというか、
嬉しさが半減するようなすることってないかな?
こんな風に、高田純次は僕の感情の言い訳さえしてくれる。
つい、言い訳に言い訳をしたくなるようなものを、気持よく解いてくれる。

そんな感情に対処するように、
4章ではバランスの取り方を語り始める。

そこでは、
飛び抜けなければいけない(と言われている)お笑いの世界で中で
ヒット芸や定番ネタも持たない彼が(結果的に)バランスを取ってきたこと、
会社員時代には自分の感情をうまくバランスさせて仕事をこなしていたこと、
劇団デビューの際の「魔が差した」こと、などを話していく。

4章の最後に、人生の転機について、横尾忠則の作品を上げながら解説する。
人生で、T字路みたいに右か左か、はっきりした選択を迫られる場面はそう多くはない。
むしろ、Y字路的な微妙な選択をすることのほうが圧倒的に多いはずだ。
(中略)
T字路の右左を間違えたら、方向が全く違うわけだから、きた道を引き返すという選択肢しかない。
ところがY字路の場合は、途中からでもどこかで適当に曲がっていけば
もう一方の未知にでられそうな気がして、思わずハンドルを切ってしまう。

すると、たいていはそれがまた間違えていて、行き止まりだったり、
まったく違うとんでもないところにでてしまったりする。

このがっかり感。そんなきたいやら、もどかしさやら曖昧さやらが詰まっているのがY字路で、とても面白いと思った。
なんて、ぐっと来る文章を書かれてしまう。
さらに、それを「面白い」と片付けるとは、なんと格好良いのか。

実は、この直後には、個人的に非常に気に入っている部分があって、
彼が絵を欲しくなって横尾さんに頼み込みに言った時の話で、
そのとき横尾さんの手を見たら、
指が白くて、僕の倍ぐらいの長さがあるのにビックリして、
さすが世界の横尾さんは指も世界的な長さ、なんて印象を持っていた。
ところが、二度目にお会いしたときは、今度は普通の指だった。
あれは幻だったんだろうか。今でも不思議だ。
と書いている。

この記述に、彼の正直さというか素直さが現れているなぁ、と感じたのだ。

記憶に、無理やり整合性を持たせようとせず、正直に捉え、正直に残す。
そんなスタンスがここに出てるんじゃないか、と思ってしまった。

そんな彼が、最後の5章でまた期待を超えてくる。

今までスムーズに文章を綴っていたのに、
いきなり、
「適当」が分からない
という見出しで話を始めてくるのだ。

そして、
いつからか僕は、「適当男」なんて言われているけれど、
これでもけっこう人並み以上に悩むことがある。
「適当って何だろう?」と。
むずかしいんだ、これが。
(中略)
その世間のイメージからすれば、高田純次は適当でなくちゃいけないんだけど、
当の本人が「適当」ってことがよくわかっていないのだから、タチが悪い。
と続ける。

「適当論」という本が売れるようになってから、
ひとから「適当」を求められるようになったと言い、
ところが、「適当男」というのは、世間の僕に対するイメージではあるんだろうけど、
僕自身が「適当男」を演じているわけでもないし、
「待ってました! 高田純次のテキトー節」みたいなお決まりの芸があるわけでもない。

にもかかわらず、いったん「適当男」という色が付いてしまうと、
みんながそういう目で僕を見るから、そこにジレンマが生じる。
という難しさを吐露する。

そんなわけで、「適当男」と言われだしてから僕は、
適当ということに振り回されてきたように思う。
(中略)
ここまではさっき言ったとおりなんだけど、実はもっと大きなジレンマがある。

それは、「高田さんのテキトーな感じがいい」と第三者に言われて、
「そうか!」とその気になった僕が、
「適当」を大いに意識してそれを演じてみせるとか、
芸にしちゃおうとかなったときに、
それはもう「適当」じゃなくなっちゃうってことだ。
(中略)
自分で言っててわけがわからなくなってきちゃったけど、
要するに、さっき言ったように、
適当ということを適当に考えてたら適当なことはできないけれど、
かといってまじめに考えてしまっても、その瞬間に適当じゃなくるってこと。

そのへんがじつにジレンマなわけ。
と全く「適当」ではない論を展開する。

このような話に加えて、
5章では役者論など、真剣に意見を続けていく。

最後はやっぱり適当な茶化しで終わるのだが、
本書では一貫して、正直で、誠実な人であることが感じ取れた。

彼は、
自分の弱いところも認めるし、
状況の変化をありのまま捉えようとするし、
その自分の感覚も絶対視しない中で、
誠実に状況を分析し、考えを進めていく。


そんな姿が、ぼくの肩の荷を下ろし、
強情な言い訳で大きく見せようとしていた自分を諦めさせ、
同時に、広い平野にぽつんと立つ小さな自分を感じさせてくれた。


「馬鹿だったなぁ。僕は弱くてだめだな。」

そんな自分への言い訳が、
引っかかること無く自分の中に落ちていった。

人生の言い訳人生の言い訳
(2010/02/26)
高田 純次

商品詳細を見る
スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加

彼らを、いま、ここで、満足させること【書評】

同期に借りた本を読み切った。
なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか ―マネジメントを極めた男の物語なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか ―マネジメントを極めた男の物語
(2011/03/22)
パトリック・レンシオーニ

商品詳細を見る


貸してくれた本だからこそ、
ぼくが考えたことを正直に述べたい。


この本には、部下のマネジメントの方法が
エピソードを利用しながら書かれている。

ここでは、3つの問題を解決することで、
従業員が満足し、その結果競合にも負けないようなサービスや商品の提供も可能になる、
という理論を元にして話が展開される。

その問題というのが、
1.自分を認めてもらえず誰でも代わりのきくと感じる「匿名性」
2.自分の仕事が誰に対しても影響を与えず意味をなさないと感じる「無関係」
3.自分の進歩や貢献度を計ることができない「無評価」
の3つである。

主人公はこれらの基本的な3つの事項を一つ一つ解決していくことで、
社員が暗い顔で働いていた組織を鮮やかに立て直していく。

これは単純に見えるが、優れたマネジメント手法の一つだと思う。


これを読んでぼくが強く思ったことは、
「こんなマネジャーになってみたい」ということだった。


結末では、各従業員が幸せそうに働いているのだけれど、
ぼくは「彼らになってみたい」とは思わなかった。


冷静に状況を把握してみると、
社員が、薄給で、単純な作業にやりがいを見つけ、自主的に働く。
主人公であるマネジャーは、彼らに好かれて、仕事を任せて、高給取りで悠々と過ごす。


マネジャーは先の3つの問題を解決することで、
彼らの現状を肯定し、給与の格差をもうらやまれないほどの尊敬を得る。


これは、部下の立場では考えているようで、
上司の事情でしか考えていないのではないだろうか。
巧妙なすり替えがなされているのではないだろうか。


高給である人というのは様々なすり替えで
事情の説得ができる能力が必要なのかもしれない。


たとえば、
その人が取ったこともなく、その人だけが取る訳でも無い
「責任」などは典型的な説得材料と言えるだろう。


ふたを開けてみれば、普段は高給もらって、
問題が出たら辞めていくだけのはずである。

しかし、本人さえも「責任」というものに畏敬の念を抱き、
だれにも見えない「責任」によってその関係を支えている。


他にも、近年では
「やりがい」も代表的な説得材料になっているように思う。

安い給料でも、高い視点から考えさせていただくという貴重な経験。

その状態も逆から見れば景色が変わるはずなのに。



「お国の為に」、「自己実現に繋がる経験として」、
「自分の幸せの為に」、「周りのみんなの為に」。

このような前置きをいかに魅力的に見せるか。
(その能力は自らをマネジメントする際にも役に立つだろうし、
実際にぼくも、自分を信じさせることで自分を動かすことはしばしばある)


この本では、具体的な作業や地位の差が巧妙に隠されながら、
読者にも、作者にも、魅力的に思える物語が綴られていく。


本書の理論にしたがえば、
だれでも、今のままのポジションのまま、
幸せにさせられて、自分や組織の業績も良くなる、ということになる。


そううまくいくだろうか。
ぼくは"うまくいかない"とは思わない。


しかし、それが誰にとって一番うまいのか、というのは
大きな問題ではないのだろうか、と考えさせられてしまった。


マネジャーの立場から読んだ時、
この本の副題である「マネジメントを極めた男の物語」
というのは非常に納得させられるところがある。


それでは、従業員側から読んだ場合、
この本の副題はどういうものになるのだろうか。

頭の悪いぼくには、
「マネジメントを極めた男の物語」
と胸を張って肩を並べられるような副題をつけられそうな気がしないのだ。


本書では、元CEOの主人公が、
レストランの共同オーナーとしてメンバーと店を救った後、
別会社のCEOとして就任し、同じ手法を用いた計画で会社を救おうとする。

その計画を実行する前に、主人公と妻は以下のやり取りをする。

妻「どうしたの?」
主「ああ、少し心配なことがあるだけだ」
妻「仕事で?」
主「うん。みじめな気持ちになる仕事全体について」
妻「何がいけないの?」
主「わからない。自分のプログラムがふさわしくないところに、無理に当てはめようとしている気がするのかな」
妻「よくわからないけれど」
主「『ハンマーしか持っていないと、なんでも釘に見えてくる』ということわざは知っているだろう?」
主「このプログラムは誰にでもむいているわけではないのだろう。ぼくには何でもかんでも釘に見え過ぎているのかも」
妻「そうは思わない。違うわよ」
主「ずいぶん自信がありそうだな」
(以下、妻の長いセリフ以降省略)


この時に主人公が抱いた違和感には、以降、全く触れられない。
最終的な「成功」のようなものに回収されるのみである。


この、最後までうまく回収できなかった違和感の吐露は
マネージャーのみならず、著者にとっての引っかかりを描いているようにも思える。


この物語は、ハッピーエンドで終わる。

主人公は会社の業績を上げることができ、
従業員が幸せに働けていることを知り、
この物語で最大級の喜びをかみしめる。

登場人物みんなの幸せを彼が実感をして物語を終える。


さて、同様のことを登場人物のリックは思うだろうか。
彼は、登場人物全員が幸せだと言うだろうか。


もし、彼の視点から見れば、
巧妙に脇に寄せていたものが積み上げられているように見えるのではと思えてならない。
このエントリーをはてなブックマークに追加

空気を読まない先に。

今年度、自分の中で一番のヒット漫画と言われればこれを上げるだろう。

天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Blue Side (講談社文庫 や 64-1)天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Blue Side (講談社文庫 や 64-1)
(2010/09/15)
山下 和美

商品詳細を見る


天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Red Side (講談社文庫 や 64-2)天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Red Side (講談社文庫 や 64-2)
(2010/09/15)
山下 和美

商品詳細を見る


天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Green Side (講談社文庫 や 64-3)天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Green Side (講談社文庫 や 64-3)
(2011/02/15)
山下 和美

商品詳細を見る


天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Orange Side (講談社文庫 や 64-4)天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Orange Side (講談社文庫 や 64-4)
(2011/02/15)
山下 和美

商品詳細を見る


上のリンクはベスト盤で、たまたま本屋で見つけたので買ったのだけれど、
Blue Side読後、すぐに他のベスト盤(Red,Green,Orange)を揃えてしまった。

主人公である柳沢教授は、「空気を読めない人」である。
その場の状況やお互いの肩書き等で自らの意見を曲げず、
人間の心に興味を持って、好奇心を絶やさずに生きる人である。

この漫画ではそのような人物の生活を見ること、
つまり「空気を読まないで生きるとどうなるのか」ということを垣間見ることができる。

その場の空気を読んで行動すれば、その場で感じられる利益を手にする事ができる。
空気を読まなければ、そこで得られるであろう利益を逃すことになりかねない。
だからこそ、空気を読もうという強迫観念のようなものを感じ、人はそれに動かされやすい。

では、空気を読まなければどうなるのか。
それを、そればかりを柔らかなタッチで描いているのがこの漫画と言えるだろう。

空気を読まなければ、その場に見えないものと出会うことがある。
常識に縛られなければ、常識のベールを外した姿と出会えるかもしれない。
相手の肩書きを気にしなければ、相手の本当の行動や意図にアプローチできる。

有名人に対しても正直に意見を言うことで周りが作るその人のイメージの外に連れ出す。
直属の助教授だからといって、論文の評価を甘くすることは無い。
相手が子供でも、やくざの親分でも、二重人格でも、性同一性障害でも、
自分が疑問に思うことを投げかけ、相手の言うことを全て信じ、
相手の立場に立ちながら、常に相手の幸せを目指して考え行動する。

そんな彼の行動で、
空気を読まれることで息苦しさを感じる人、
「一般的な考え」によって笑われたり蔑まれている人、
常識の枠内で悩み続けて答えを見つけられない人、
そんな人達が救われ、彼らは柳沢教授を慕う。

そこに彼の気持ちの押し付けなどは存在せず、
彼の人を尊重する行動が、結果的に人を救う結果に繋がる。

彼は何があろうと、目の前のものを正直に受け止め、
不可解なことがあれば解き明かそうと進み続ける。

とはいえ、彼に感情が無いかというと、そういう訳ではなく、
むしろ彼にとっては自分の感情の存在は受け入れるしかなく、
かつそれは彼にとって非常に不可解なものであるため、
恋心などの思わぬ感情の処理に苦労するエピソードも多い。

そんな人間臭い面も持ち合わせた教授が
人の幸福を喜び、応援し、人の不幸を哀しみながら、
今日も出会う様々なことに対して興味を持ち、学んでいく様子が描かれている。

彼の姿は、人の顔色を窺ってきた人にとって、
つまり、「空気を読まない先が未知で不安な人達」
に安心を与えられるのではないか。

その場の状況に従わなくとも、その先に可能性は広がっている。
相手の肩書きは相手の一部のみを表しているものである。
どんな人の中にも自分にはない才能がある。

この作品はそのようなことを示しているように感じ、
ぼくは大きな安堵と希望を抱くことができた。

彼のように相手を相手だけを見て愛し、
微細な情報を不当に評価せず物事に真摯に立ち向かい、
誰であろうと良い将来を信じ、その実現の為に考え、行動する。

この物語はフィクションではあるが、
彼が実在するか虚構の中の人間かは関係なく、
現実にはその先にいかなる苦労や不幸があろうとも
ぼくは彼のような姿勢を身につけたいと思う。

誰にも与せず、今の状況に無条件で従わず、
新たな可能性を信じて進み続ける自分は、
これから何と出会い、どういう変化をしていくのか、
僕がそこに不安だけではなく期待も感じられるようになったのは、
この漫画を読むことができたお陰であることは間違いない。
このエントリーをはてなブックマークに追加

あらゆることに全力だった高校時代。全てが手段で目的だった。

普段、気に入った本でも一から読み返すことがほとんどない僕が
この漫画は今日だけで5回ぐらい読み切ってしまった。

学校の時間 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)学校の時間 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
(2010/07/23)
長田 佳巳

商品詳細を見る


学校の時間 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)学校の時間 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
(2010/07/23)
長田 佳巳

商品詳細を見る


上下2巻で完結。


学園物マンガって、大きく2つに分かれていると思っていて、
①何か一つの事に向かって学生の元気を全力投入するマンガ
②学園の日常のユルさ、楽しさ、仲の良さなんかをコミカルに描くマンガ
に大別されると思う。

①の代表的なのはスポーツものとか恋愛ものとかが多いと思う。
ただ、最近は「ちはやふる」「バクマン」などの
文科系の題材のマンガも目立ってきている。

②はオタクものとみなされがちなものが多いかもしれない。
「あずまんが大王」「桜蘭高校ホスト部」みたいなのがそうだと思う。
最近では「生徒会役員共」などもこちらに入るだろう。


ただ、この漫画は
「何にでも全力で挑むマンガ」だ。
力の矛先は問わない。
何にでも全力で挑むのだ。

その点ではハルヒも同じかもしれないが、
ハルヒはSF要素も結構含まれているのでちょっと違うと思う。
ということはハルヒも上記の2ジャンルからは外れたものだとも言える。



話を戻すと、本作品では全ての事に全力なのだ。
好きなことに対しても、
上手くいかないことに対しても、
喧嘩も、
恋愛も、
体育も、
遊びも、
休み時間も、
移動時間でさえも。


自分はいつから
「これは目的じゃなくて手段だ」なんていう
分かったようなクチを聞くようになったのだろうか。

あの時は全ての手段が目的でもあった。

全部楽しかったし、
上手くいかなかったし、
結果が予想もつかなかったし、
そんな気持ちを皆がそれぞれの形で持っていた。



僕の高校(男子校)では、

授業中でも笑いに関する厳しい指摘が飛び交った。(先生も混じっていた)

みんなでなぜか竹刀とかバットを携帯している生活指導の先生にビビってた。

いつもの休み時間、罰ゲームは本気で殴っていた(肩パン)。
ってか最終的には挨拶で殴り合ってた。授業中でも殴り合ってた(笑)
罰ゲームを受ける部位に応じて皆の肩に痣ができてた。

朝礼の1時間前に来てクラスの中の15人ぐらいで野球をやり、
皆で当たり前のように早弁して昼休みもフルでスポーツをして走り回り、
昼以降の授業は暑過ぎて半分以上ちゃんと服を着てない状態で、
放課後また暴れ始める、なんて生活をしていた。

スクールバスでラグビー部はマジでいかついなー、とかいつも話してた。

予備校で暴れて窓割って、それ以降、そこから営業が来なくなったり。

「単語全然覚えられへん」とか言って本気で苦しんだり。

皆で必死で勉強したのに物理のクラス平均点が20点台だったり。

通学途中の女子生徒が自分のこと好きやで、とか妄想したり。

体育はいつも本気。バレーボールは3アタック当たり前。
バスケは常に奪取。体育大会は特進クラスだからこそ優勝を目指したり。

クラスの有名人に分からないように
隅っこで1対1のシュールな笑いを提供していたり。

全力で下ネタ言う奴らの中で、
非下ネタに無駄に拘ってみたり。

文化祭では女子高生を探して校舎の中をひたすら歩きまわったり。
どうせ目当てがいるから来ているに決まっているのに。

初めてできた彼女との接し方に思考錯誤したり。
一方で、いかに金を使わずに大人の階段登るか妄想したり。

無意味にズボンずらしたり。カラー外したり。
制服ちゃんと着てないのに入試の時はなんだか誇りに思えたり。

本気でふざけて、本気で怒られたなー。

あくびしただけでビンタされて、
本気でイラついて、でも後でネタにして笑ってたなー。

身体でかいやつのじゃれているつもりが、
身体小さい自分には全く抵抗できない攻撃であったり。

バカばっかりなのに初年度のお寺合宿のお陰で、
みんな浄土宗の遺訓は入学1カ月で暗記してる。
アーラーラ・カーラーマとウッダカ・ラーマ・プッダの意味が分かったり。

誰もが万能でないなりに、
自分の課題に全力でぶつかってた。

恐かったけど、あらゆることが未知だったからか、
失敗するとか成功するとかそんなの二の次だった。

悩んだ。笑った。走った。
一生懸命斜に構えてたりね。



ほんと、「何のため」とか考えなかった。

目の前にあったから飛び込んだ。

「やりがい」なんて言葉知らなかったけど、
全部にむっちゃやりがいを感じてた。

「真面目」なつもりなんてなかった。
やれば何かしら「おもろさ」を見つけるだろうと感じていた。


だって、クラスの皆がおもろいんだし、それが当たり前だった。



自分には思いつかないおもろいことを、あいつが言う。

「あいつらしいことを言うな」とか思うけど、
あいつにしか思いつかないし、あいつにしか言えない。

そんな輝いたものをほとんどの同級生が持ってた。



この本を読んで、色々思い出した。
読むたびに違う思い出がよみがえった。
懐かしくて、楽しかった。


帰りたいと思った訳ではない。

むしろ、「今もできるやん」って思った。



周りのものなんでもぶつかってみたら楽しい。
楽しさとぶつかるだろうと思ったら楽しい。

実際、ぶつかったものからは何らかのおもろさを見出してる。

もっと色々ぶつかってみてもいいんじゃないか。

自分の能力に見切りをつけるほど悟ってるわけじゃないし、
やっぱり、自分を投げてみて、楽しんでみれば。

先を見据えなければいけないほど責任ある立場なんて、
まだまだ訪れないだろうし。一生訪れないかもしれないし。

世間体を気にする必要があるほどビッグでもないし。
何かを背負っているわけでもないし。


もっと、なんでも楽しめんじゃないか。
中途半端じゃなくて。
しんどいことでも恐いものでもなんか楽しい感じだった。


そんなことを思っていたら、
自分、世界、今、未来、人、街、色んな物が一層明るく見えた。



くだらないことでもおもろくできたじゃん。
今より賢くないのに。あんなに工夫してたじゃん。

今、同級生は一足先に社会人になってる人がほとんどなんだろうけど、
もしあの頃のすばらしさを腐らしているのならもったいないなぁ。








と、
本書を読めばこんな風に自分の本気だった高校生活を思い出せると思います(笑)


さて、本気で風呂はいろ!
このエントリーをはてなブックマークに追加

短編漫画で息を抜いています。

最近の生活は
・家で勉強or睡眠
・歯医者
・(歯医者のついでの)書店
のローテーションをしています。

映画に行こうとか、一瞬思ったりもするんですが、
なかなか2時間集中できる気がしなかったり、
目下の課題が頭をよぎったりするので
なかなか踏み切れないのです。

その中で唯一の息抜きが本だったりします。

歯医者に行く以外は外にあまり行かないので、
いったついでの本屋は結構楽しみだったりします。

そこで、新書や漫画を漁ってるんですが、
新書は読むのに時間がかかるし、
長編漫画に手を出すのはコスト的に厳しい、
なんて思っちゃったりするのです。

だから、よく短編漫画に手を出します。

また、日記書いたりするのも息抜きだったりします。

せっかくなので、今日はこの2つの息抜きを
組み合わせてみようと思いました。

ということで、漫画のレビューをしたいと思います。
(短編or巻数が少ないもののみ)


X細胞は深く息をする (New COMICS)X細胞は深く息をする (New COMICS)
(2010/04/03)
やまあき道屯

商品詳細を見る

一人の女性の命を救えなかった想いから
二人の青年がそれぞれのアプローチで心臓を作ろうとする。

片方は医学(クローン心臓)
片方は工学(人工心臓)
から命を救おうとする。

それに加えて、大学の中にいる権威ある教授は
ドナー制度による救命を主張し、
新旧、様々な命の救い方がぶつかり合う。

それぞれがそれぞれの方法で探究してきた方法が、
あるとき、様々な事件や政治とともに交わり、壊れていく。

「クローン」「人工物」「脳死」「ドナー」等の繊細な概念が
「生命」と天秤にかけられ、人の欲望と絡まり合う。

生命の前では何が正しいのか。
生命さえ正しいのか。

そんな問いを投げかけている作品だと思う。

こういったものは新しいものが注目されがちだが、
旧来の方法が正しいかもしれない。

唯一の答えは出ない。
しかし正しい(らしい)答えが沢山ある。

「人間もプラスチックも同じものでできているんだよ」
主人公の一人が言ったこの言葉は
読者への挑戦なのかもしれない。


港町猫町 (フラワーコミックスアルファ)港町猫町 (フラワーコミックスアルファ)
(2010/04/09)
奈々巻 かなこ

商品詳細を見る


港町で繰り広げられる猫と魔女の物語。

魔女といっても、皆が想像するような「魔法」を使う訳ではなく、
「何かの理由で他の人となかなか上手く付き合えない女性」を"魔女"と呼ぶ。

魔女にはその町の猫が人型に見えて、
しゃべることも理解できる。

寂しい人と、そこに住みつく猫。

人と猫の常識は少しだけずれている。

お互いが同じように好きだけれど、
お互いの好きは同じじゃない。

傍にいれば安心できることは
お互いに同じなのかもしれない。

魔女は猫と暮らす中で少し生きやすくなるコツを身につける。
それが"魔法"。

自分は猫なのか魔女なのか。
もし猫なら自分の魔女は誰なのか。
もし魔女なら自分の魔法はなんなのか。

そんなことを考えながら、
物語は行き着くあてもなく、
すっと気持ち良く流れていった。


ミツバチのキス 1 (アクションコミックス)ミツバチのキス 1 (アクションコミックス)
(2009/01/28)
伊図 透

商品詳細を見る


2巻完結。

人に触るとその人の過去も、
未来でさえも分かってしまう女の子の物語。

その先読みの才能でずっと友達ができず、
宗教団体に利用されているところから物語が展開されていく。

僕は、人の中身を知るということは
とても難しいと同時に怖いことだと思っている。

ある人にとっての僕と
他の人にとっての僕は違う。

この漫画において、
一度だけ主人公が「自分に対する印象」を読みとる場面がある。

主人公は「私こんなじゃない!」と感じる。
しかし、相手にとっては「こんな私」だったのだ。

人のことが完全に分かるということは
その人が接する全ての人の印象と、
全ての人からの印象を知ることになる。

とても恐ろしいと感じた。

よく、思春期の恋愛漫画などで、他の人に対して、
「あの人が自分には見せない笑顔をしている」
とため息をつく場面がある。



しかし、見方を変えれば、
「自分は他の人には見れない笑顔を見れる」
と考えればいいのではないか、と僕は思う。

人は「その人に対しての自分」を
望む望まぬに関わらず見せている。

それを越境して「他の人に対しての自分」を
見る事は本当にいいものなのだろうか。

この本を読んだ後、
「相手の全てを明らかにすること」
は必ずしも良いことだとは思えない、
と僕は以前にも増して思った。


俺はまだ本気出してないだけ 1 (IKKI COMICS)俺はまだ本気出してないだけ 1 (IKKI COMICS)
(2007/10/30)
青野 春秋

商品詳細を見る


5巻で完結予定。

題名が秀逸過ぎて、語ることがなかなか見当たらないのだけど、
漫画だけでなく、普段接するあらゆるメディアには「凄い人」が溢れている。

みんな息が詰まるぐらい頑張っていて、
とても華やかな結果を残していて、
彼らに憧れる一方、強いプレッシャーを感じてしまう人もいると思う。

本気でやるとき
心が折れるとき
些細なことに感動するとき
人が優しくないと感じるとき
人に救われるとき

様々な波が寄せては返す物語。

きっとこの本の登場人物は、
「世間一般で言われるような成功」はしないだろう。

しかし彼らは彼らなりに「自分の成功」を目指してもがく。

人生のどこかで躓いている彼らは、
「世界に一つだけの花」で語られるように
自分が「キレイなオンリーワン」ではないことは気づいている。

しかしもがく。
走れないこともある。
気持ちが切れるときもある。
もがかないときもある。

一貫性はない。
でも、やっぱりもがいているのだと思う。


朝がまたくるから (花とゆめCOMICSスペシャル)朝がまたくるから (花とゆめCOMICSスペシャル)
(2010/04/19)
羅川 真里茂

商品詳細を見る


「赤ちゃんと僕」の作者による短編集。

殺人、未成年との恋、薬という繊細な事に関わった過去を持つ主人公達の物語。

幸せにはなれない。
過去が未来を縛る。
関わる人さえ不幸にするかもしれない。

苦しみながら、
皆とは違う新しいスタートラインを見出していく。

各物語では幸せになれるかどうかは書かれない。
「新たなスタートまでの苦難」の過程が書かれる。

彼らが今から幸せになれるかどうかが分からない。

そんな簡単なものではないということが
作者に分かっているから全ての物語がそうなっているのかもしれない。


進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)
(2010/03/17)
諫山 創

商品詳細を見る


別冊マガジンで連載中のこの作品。現在2巻。

壁の中で巨人から身を守り続ける人間の物語。

圧倒的な戦力をもち、正体が全く分からない巨人に
ほとんどなす術もなく攻められ、食べられる人間。

なぜ食べられるのかも分からない。

人間は脅威を克服するために優秀な人間を幾人も犠牲にし続ける。
しかし、それでもほとんどなす術もなく人間は攻められ続ける。

壁が少しずつ壊され、少しずつ逃げ場を無くす人間は
どう巨人に立ち向かうのか。


絶望の中、圧倒的な脅威に慄きながら立ち向かう人間の姿を描く。

人間が一握りで壊され、パキポキと食べられる姿には戦慄を覚える。

作者はこの閉塞感の中でも小さな望みを求め続ける人間を描こうとしているのか、
それとも人間の無力感を描こうとしているのか。
はたまた、巨人が現在の人間だと言おうとしているのかもしれない。

まだ、2巻だけれど、非常にエキサイティングな作品。


ヘウレーカ (ジェッツコミックス)ヘウレーカ (ジェッツコミックス)
(2002/12/19)
岩明 均

商品詳細を見る


なんか見たことある絵だと思ったら、
「寄生獣」の作者の作品だった。

アルキメデスの老後のシチリア島を舞台にした戦争物語。

・知恵による兵器(技術)の恐ろしさ
・要人一人に左右される多大な影響
・全てを台無しにする運の連鎖
が描かれている。

紀元前200年でこれであれば、
これだけ技術が進んだ今は、
これらはより大きくなっているのだろうか、
それとも小さくなっているのだろうか。

PTAのえらい人が「包丁を子供に持たせてはいけない」
というような事を言っていることは、
幸せなことなのか、それとも愚かなことなのか。

そんなことをふと考えてしまった。

最後の主人公の言葉
「でももっと…
他にやる事ァないのか?」

その言葉を2千年経った今でも考えなければいけない気がする。


変ゼミ(1) (モーニングKC)変ゼミ(1) (モーニングKC)
(2008/07/23)
TAGRO

商品詳細を見る


ただいま3巻。連載中。

「変態生理ゼミナール」というゼミを舞台に展開する変態活劇。
変態じゃない人は見ない方がいいと思います。

超潔癖症
ドM
寝とられフェチ
共依存
破滅願望
映像主義
などなど。

様々な性癖をもと人々が、
噴水のように溢れてくる新たなフェチズムとあいまって、
変態談義に花咲かす。

そのゼミの教授は
「我々は決して正しい社会からスピンアウトした異常者ではない!
超普遍の不偏論者なのだ!」
と言っていてなんだか納得してしまった部分もあるのだけど、
やっぱりスピンアウトしていると思われるだろう描写ばっかりの漫画。

僕はあんまり性癖とかオタクとかに偏見は持たないタイプなので
とても楽しく読んでいるが、基本的には人には勧められない。

多くの人がこれらを変だと言えるからこそ
「変なもの」というのが存在できているし、
社会が正常だとも言える。

まぁ、変だろうが、なんだろうが、
上品なことは全く描いていません(笑)

第2話ですでにウ○コ食べる話だし。


セキララ彼女 1 (ジェッツコミックス)セキララ彼女 1 (ジェッツコミックス)
(2009/09/29)
LINDA

商品詳細を見る


最後は一番エロい話。
最近平積みされていたのをよく見るのでつい購入。
明らかに18禁だけど、局部は出てこない。

大学生3人が主人公で、
"女子大生のイケナイ話"を描いている。

声優になるために業界人と寝る女の子、
世間的には才色兼備だけどプライベートではドMな女の子、
うぶな彼氏がいながら毎回他の欲望に負ける女の子
が主人公。

この漫画がエロい事はもちろんのこと、
僕が感心したのが「"女の子のイケナイ事"が見られること」。

というのも、
一般に「男は浮気をする」ということが言われたりするんだけど、
それって本当だろうか。

だって、「男が浮気をする」ということは
ほとんどの場合、「女が相手」であるはずである。
僕はそんなにゲイが多いということは聞いたことがない。

なのに、「男が浮気をする」と言われるということは、
それ相応の理由があるのだと思う。

僕はそれが「男は浮気を言う/ばらす」というところにあるのだと考えた。

つまり、「女は浮気を言わない/ばらさない」ということ。
それは個人で言うのか、集団で仲間を正当化するのかはわからないが。

要するに、
男の浮気は皆知っていて、女の浮気は知らないのだ。

それを拡張すると、
男のイケナイことは知られていて、
女のイケナイことは知られていない、ということになるのではないだろうか。

この作品では「女の子のイケナイこと」を盛大にばらしている。

それがこの作品の魅力ではないだろうか。


※真剣に語ったけどぶっちゃけエロ本です


さて、夜だ。勉強しよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
QRコード
QRコード
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。