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【備忘録】リーダーシップの学術的な定義の数々

ご存じの通り、僕はリーダーシップの研究をしているんですが、
「リーダーシップ」というものの定義というのは実は統一されていません。

現在、リーダーシップの包括的な研究の大家である
Gary Yuklの"Leadership in Organization"という本を読んでいるのですが、
その中にでもリーダーシップの定義の例だけで10種類載っています。

その本にはリーダーシップの定義についてだけで
1節(7ページ)分も充てられています。

これから、僕はリーダーシップの認識についての研究をするので、
備忘録として、ここにあるリーダーシップの定義についての記述をメモしておきます。
あと、訳文と感想も付けておきます。


・Leadership is "the behavior of an individual ... directing the activities of a group toward a shared goal." (Hemphill & coons, 1957, pg. 7)
リーダーシップは「共通のゴールに向かうグループの活動を指導する個人の行動」である。

指導者の行動に注目した考え方です。
おそらく、「才能のある人の行動を研究し、マネしよう」
という考えがあったのだと思います。


・Leadership is "the influential increment over and above mechanical compliance with the routine directives of the organization. (Katz & Kahn, 1978, pg. 528)
リーダーシップは「組織の日常的な指示への機械的な追従の他の、影響力の増加」である。

官僚的で機械的な指示だけでは
人間は動かないことに気付いた時期だったのかもしれません。


・"Leadership is exercised when persons ... mobilize ... institutional, political, psychological, and other resources so as to arouse, engage, and satisfy the motives of followers." (Burns, 1978, pg. 18)
「リーダーシップは人々が制度上、政治的、心理的、そしてその他の資源を動員することにより、フォロワーの動機を喚起、誘引、満足させる時に働くものである。

リーダーの行動を細かく分析し、
フォロワーを動かす要因を研究していたのだと思います。


・"Leadership is realized in the process whereby one or more individuals succeed in attempting to frame and define the reality of others." (Smircich & Morgan, 1982, pg. 258
)
リーダーシップはあるプロセスにおいて理解できるものである。そのプロセスによって一人あるいは多数の個人が他者の現実を形作り、定義する試みが成功する。

リーダーシップは「枠を作る」存在であるという認識です。
この定義では「リーダーが一人ではない」ということにも注目すべきかもしれません。


・Leadership is "the process of influencing the activities of an organized group toward goal achievement." (Rauch & Behling, 1984, pg.46)
リーダーシップは「ゴール達成に向かうグループの行動に影響を与えるプロセス」である。

「管理」というよりも「導く」という感じの捉え方をしています。


・"Leadership is about articulating visions, embodying values, and creating the environment within which things can be accomplished." (Richards & Engle, 1986, pg. 258)
リーダーシップはヴィジョンを述べ、価値を形作り、そして物事が達成されうるような環境を作ることに関するものだ。」

今までのものに比べれば総合的な過程について述べています。


・"Leadership is a process of giving purpose (meaningful direction) to collective effort, and causing willing effort to be expanded to achieve purpose." (Jacobs & Jaques, 1990, pg. 281)
「リーダーシップは集団の努力に目的(意味ある方向)を与え、目的達成の為に率先して努力
させるようなプロセスである。」

Y理論に基づいた考え方と言えるでしょうか。
フォロワーに対する気遣いがみられます。


・Leadership "is the ability to step outside the culture ... to start evolutionary change processes that are more adaptive." (Schein, 1992 pg. 2)
リーダーシップは「より適応力のある革新的な変化のプロセスを始めるために文化の外側に踏み出す能力である」

変革型のリーダーシップについての考察なのでしょう。
勇気ある人物というのがリーダーだと述べています。


・"Leadership is the process of making sense of what people are doing together so that people will understand and be committed." (Drath & Palus, 1994, p. 4)
「リーダーシップは人々が理解し、コミットしてもらうために何を共にやってもらうかに気付く過程である。」

これもフォロワーに配慮した定義だと思います。
筆者が組織の力に対して一目置いていたのかもしれません。


・Leadership is "the ability of an individual to influence, motivate, and enable others to contribute toward the effectiveness and success of the organization ...." (House et al., 1999, pg. 184)
リーダーシップは「他者が組織の影響力や成功に貢献することへの影響力や動機付け、そしてその貢献を可能にするような個人の能力のことである。」

この定義では「フォロワー」でなく「他者」という言葉を選んでいたり、
「個人の能力」という記述が使われていることから、
「リーダーシップは誰でもとれる」という前提が読みとれます。


ふう。


英文打つのめんどくさい…。
訳文も酷いな…。

本文には
「ほとんどのリーダーシップの定義は『リーダーシップはグループや組織の中での活動や関係をガイド、構築、ファシリテートするために他者に及ぼす意図的な影響力のプロセスを伴う』という前提を反映している」
と書いています。(うん。我ながら酷い訳文だ)


また、メジャーな論争として
「リーダーシップとは特定の役割なのか、分担されうる影響のプロセスなのか」
というものがあります。

リーダーは一定の責任を伴う人にしか適用できないものである、
という考え方と、
リーダーシップは社会的なシステムに見られる影響の過程である、
という考え方に分かれます。


現在でもこの論争は続いており、
研究の目的によって定義が使い分けられています。


自然科学とは違い、
リーダーシップはアカデミックにおいても
定義がはっきりしているものではありません。

ただし、一つの研究に対して、
明確な定義を定めないと研究が進まないのも事実です。


これから複数の調査を始める予定ですが、
それぞれ調査の目的が違うので、
定義を複数用意するか、双方に通じるような定義を採用するか
悩ましいところです。


今日はこんなところで。
時間が来たので面接に行ってきます。

あ、英語できる人は訳文の添削お願いしますw
(マジで自信ないので)
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コメント

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リーダーシップ

最近は、Shared leadership(SL)とかがよく注目されているよ。リーダーっていう特定の人物として捕らえないで、プロセスとして解釈しようとしている。

この前もMorgeson(ミシガン州立大の無茶苦茶有名なマネージメントのおっさん)が来て、SLについてプレゼンしてくれたんだけど、うちはチーム研究者が多いから、SLとチームプロセスはどう違うんだっていうんで、論争になったよ。

後は、Functional Leadership(FL)もまた復活してきて、Lordが(1978)にASQに出した文献以降、しばらくの間注目を浴びてなかったんだけど、これがまた復活しだしたよ。定義もすさまじくて、リーダーはそのグループにとって必要なことをやるのがFL、みたいな定義でさ。定義と言っても定義になってないじゃんって思うよ。

Avolioもなんか活発に動いて、Walumbaと一緒に最近はAuthenticLeadership(AL)見たいのに力を入れているけど、それも今ひとつだよね。

自分としては、ひとつの柱として、リーダーを育てる土壌が何なのかって言うのを追求したいと思うけど。自分としてはセミナーとかの単発で終わるプログラムとかじゃなくって、企業レベルで数年かけてどうやってリーダーを生み出しているのかって言うところにもうちょっと力を入れて行きたいなって思ってる。

高●先生はさらにその上を行って、子供のときのリーダーシップ教育から見直すみたいだけどね。

研究がんばってね。んで、いつこっちの博士過程に応募するんだい?

就職先決まったもんねー

コメントありがとう。
Shared Leadershipははじめにちょっと注目しようと思ったけど、結局違う方に興味行っちゃったな…
ちなみに君が言う「王子様」はアンチSLだったね。

あと、
「SLとチームプロセスはどう違うんだっていうんで、論争」について詳しく教えてほしいなぁ。
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