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なんかストーリーを書いてみたくなった

いつもパワーポイントの資料を作るときは、
全体のストーリーを考えながら作る。

無意識的に。

特に話す技術が上手な訳ではないのだけれど、
資料にストーリーが織り込まれているせいか、
「物語がすっと入ってくる」という感想が多い。

資料を作るときは必ずこだわりや工夫を
してしまうので、その時に自動的にそうなるのだろう。

そんなことを考えながら、
遅々として進まない資料とにらみ合っていた。

ラップトップのパソコンの他には、
目立つものはなにもない。

資料づくりをしているため、
少し本が散らかっている以外、
質素な部屋で主張をするものは特に存在しない。

いつもより少し暑いのが気になる。

BGMで今は亡きMJのバラードを聴いているので、
外の音はあまり聞こえない。

不規則な生活で少し身体は重たい。

さっきビル街の一角にある自動販売機で
買ってきたカフェオレを飲み干した。
コーヒーの香りが僅かに残り、
苦みと甘さが舌を包む。

もう少し頑張らないと行けない。
しかし手は遅々として進まない。

少しずつ暑くなってきた気がする。

遠くから低音が聞こえる。
大型トラックでも通ったのだろうか。

その低音とMJのベース音が
上手く混ざり合って心地よい。

気分が良くなり、
無意識に歌を口ずさむ。

そういえばいつの間にか
少しアップテンポな曲になっている。

そういえばこれは昔好きだった曲な気がする。

なんだか懐かしくなったのか、
少し画面がぼやけてきたように思う。

それにしても暑い。

ついつい本気で歌いすぎたのだろうか。
すぐに歌に夢中になってしまうところはなんとかしないといけない。

曲が切り替わる。

そこで不自然なことに気付いた。
さっき聴こえた低音が大きくなっている。

良く考えると暑さも異常である。

不安になる。
口の中が苦みでいっぱいになる。
少し香ばしい臭いがしている。

扉を開けて外を見る。

燃えている。

さっきの自販機が燃えている。

ビルも燃えている。

遠くが燃えている。

何の音か分からない低音が大きくなる。

四方を火柱に包まれていた。
いや、火の壁に囲まれている。

自分の部屋はこんなところにあっただろうか。
自分の部屋の周りはこんなに何もなかっただろうか。
自分の部屋の周りには何もない。

部屋と同様に綺麗に掃除されているみたいだ。

自分の部屋、何もない場所、火の壁。

それ以外は見えなくなった。
視界はかすんでいる。

自分の身体を確かめる。
手が遠くにある。

とにかく暑い。
危ない気がする。
舌に苦みが拡がってゆく。

暑いのに汗はかかない。

火が攻めてくることはない。

火は遠い。間に燃える物はない。

そのことに気付くと、
少しずつ暑さも和らいできた気がする。

火の壁も少しずつ遠くなっていく気がする。

音も少しずつ小さくなっていく気がする。

舌の苦みもおさまり、甘さが口の中に拡がってきた気がする。

気がする。

気がする?

本当だろうか。

気がするという事実は本当だけれど、
気がしていることは本当だろうか。

なぜ舌が甘いのか。
何も口の中に入っていないはずである。

はず?

家と火の壁の間には何もないのだろうか。

明らかに無色透明であるのは間違いない。

しかし無色透明というのは存在しないことではない。

無色透明。

その何かが存在しているはずではないか。

だんだん意識が遠くなっていく。

無色透明を意識した時から、
意識はすこしずつ無色透明にかき消されていく。

諦めの気持ちとともに、
無色透明が意識のなかに滑り込んでくる。

記憶の中の無色透明が現れ始める。

自分の周りだけじゃない。
無色透明は沢山あった。

声。夢。愛。気持ち。意識。僕。今。疑問。

色がつかないのに、
無色透明が沢山現れる。

今まで自分は何をしていた?

それも無色透明だ。

自分の動きは無色透明。
見えたことがない。

見てきたものは本当のものなのか?

景色には色があるのか?
本当か?

無色とは何だろうか。
透明とは何だろうか。

何。

何。

もう考えられない。

全てが無色透明なようで。
全てが無色透明ではないようで。

そろそろ終わることがなんとなくわかる。
この物語も。
自分も。

そう思っている時に空を見上げる。
空には黄色い僕の笑顔が見える。

驚く力も残っていない。

僕は何だ。

なぜ黄色い顔だ。

自分は僕か?

そう思いながら自分という何かが
動きを止め、崩れ落ちた。



「僕」はそれを上から見下ろす。

紫色の液体に浸かり、力尽きた
小さなか弱い生き物を。

僕は火を止める。

僕はその生き物を取りだして考える。


僕はその生き物が疑問を感じたことを知らない。
なぜ汗をかかなかったのだろう。

僕はその生き物が気付かなかったことを知らない。
紫色の液体に浸かっていたことを。

僕は無色透明に包まれていることを知らない。
そして、それが無色透明ではないことにも知らない。
ましてや「僕」が無色透明であることなど思いつきもしない。


今日も彼は空に。
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