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みんなで「やる気」を科学した!

おとといの東京大学でのイベント

Learning bar
みんなで「科学」を科学する!

の感想を。


簡単に会の説明をすると

司会・進行は
中原淳氏(東京大学准教授)で、

あと、プレゼンターとして
大塚雅樹氏 (株式会社JTBモチベーションズ 代表取締役社長)
石井宏司氏 (リクルートマネジメントソリューションズ)
山下 京氏 (近畿大学経営学部の先生)
長岡 健氏 (産業能率大学情報マネジメント学部教授)
の4名の話を聞いて、

その内容をもとに周りの人と話をする、

という会でした。



各人の話で印象に残ったことと、会全体について、
さっと感想を書いていこうと思います。

・大塚雅樹氏 (株式会社JTBモチベーションズ 代表取締役社長)

「『やる気』の常識を考える」という題で、
モチベーションの要因の分析の結果から3つのことを提言していました。
1.ハイパフォーマーだって危うさを秘めている
2.プライベートと仕事は対立しない
3.組織のモチベーションは足並みを揃える必要は無い

まとめとして、「やる気があるひとはボキャブラリーを増やしていく」
という仮説も立てていました。

各提言について突っ込んでみると、

1.ハイパフォーマーだって危うさを秘めている
高業績者はネガティブワードを口に出さない傾向にあるが、
分析結果によると、中業績者と同様に不満要因を持っている、とのこと。

確かにこれはとてもためになる分析結果だった。
過去に自分自身が高業績者だったと思われる時期には、
周りから「モチベーションを自分だけで維持できる人物」
だと思われていた気がするし、その点は明らかな誤解であると思う。

自分も優秀な人物に対して気をつけないといけないことだと思う。
あと、優秀な人物ほど「叱る」「注意する」という手法を必要としていたりもする。


2.プライベートと仕事は対立しない
家や合コンなどのプライベートの場面でも
仕事の話をすることで自分の仕事を客観視できるので、
実はとても良いことだ、いうことだった。

しかし、僕はこの意見には納得できない。
ビジネスに携わっている人の勝手な意見だと思った。

ビジネスの場だけでこういうことはすればいい。

確かに、「話すことで自分の仕事を再考できる」という面は納得できる。
ただし、それに外の人物を、特に、ビジネスに携わっていない人を
'一方的に'巻き込んではいけない。

「女性の意見を聞いた」と言っていたが、
質問の結果、おそらく彼らは「『働く』女性の意見を聞いた」のだと思う。

ただ、「相手(例えば主婦であれば家事、地域行事等)の話を聞く」
つもりがあるのならば、効果的だと思う。

そうでなければ自分勝手な意見だと思うし、
プレゼンを聞く限り、自分勝手な意見なんだと思った。


3.組織のモチベーションは足並みを揃える必要は無い
「不景気環境下、組織は意識を統一して目標達成すること」が重要ではなく、
モチベーションは人それぞれだから、一人一人の強みとなっている
モチベーションの要因を活用すべき。

この案は基本的には賛成なんだけれど、
個人レベルの対応でのみ使えるものだと思った。

会社レベルでは不景気で資源が少ないので、
各要望に対応することは現実的に無理がある気がする。
(特にポストや給与に関しては)


プレゼン全体に関しては、少しウケ狙いに走っていて、
内容に関してあまり話者が理解していない、と言う印象。

ただし、経験からアドリブで対応できるぐらいの地力はあるのだと感じた。



・石井宏司氏 (リクルートマネジメントソリューションズ)
「ミドルの『やる気』を科学する」と言う題で

◇ミドルは「やる気」があるのか?
◇ミドルの「やる気」の中身は?
◇やる気がある人、ない人の差は?
◇ミドルのやる気は上げられるのか?
◇改めて、ミドルのやる気を考える

という5つの小題に分けて分析結果を元に
ミドル=課長と仮定してプレゼンしていました。


基本的には分析・アンケート結果を中心に話を進めていました。

◇ミドルは「やる気」があるのか?
「マネジャーにやりがいを感じている」という人は52%
「マネジャーをやっててよかった」という人は48%
「マネジャーとして能力発揮できている」という人は45%
ということとでした。

これは高いといえるか?

僕は高いと思う。
平社員と比べたら相当やりがいを感じているのではないかと思う。


◇ミドルの「やる気」の中身は?
気になるデータは

「ミドルとの報酬の差は平均で100万/年」

あと、マネジャーをやっててよかったと思う人の
理由のフリーコメントをパターン分けすると
裁量が広い…145
部下育成・成長…36
組織の目標達成・成果…31
自己成長…30
自己活用…23
給与…16
らしい。

僕はこれを見て、
「ミドルに限らないことだ」と感じた。
新人育成にも十分応用できるデータだと思った。

裁量を与える、誰かを育てる、成果を上げる
というのはミドルに限らずモチベーションの源泉となりえると思う。


◇やる気がある人、ない人の差は?
「マネジメント暦」「『マネジメントとは』に対する記述」
「『悩み』に対する記述」には大きな差が見られない。

その他のデータを見た印象は、
どちらも不満足の内容は一致している。
しかし、
やる気がある人は「満足」の要因も感じていて、
やる気がない人は「満足」の要因が少ない
のだと思う。

だから、やる気がない人には
「不満足を減らす」のではなく、
「満足を増やす」為のアプローチをしないといけないのだと思う。

この差は大きい気がする。



◇ミドルのやる気は上げられるのか?
ポジティブなやる気の要素を感じるのは3年目がピークらしい。

あと、成長経験があるという人は56%で、
その中身は、
「部下の育成・成長」…63ポイント
「組織目標の達成」…47ポイント
他が全て10ポイント以下。と偏っている。

僕はこの2つの共通点として
「『自分』あるいは『自分の仕事』が会社に残る」というものがあると思う。

自分が認められることで成長を実感できるのだとすると、
同僚に対する言動も改善できるはず。


◇改めて、ミドルのやる気を考える
特に印象に残っていない。


全体を通じて、「ミドルに限ったことではないのではないか」と思った。
数字やアンケート結果が多いのはありがたかったし、
分かりやすい話し方で好感を持てるプレゼンだった。


・山下 京氏 (近畿大学経営学部の先生)
モチベーションを
外発指標(報酬や罰など、外からの力によるもの)と
内発指標(自発的なもの)に分けて分析をしていた。

ポイントをまとめると
「外発指標と内発指標は相補的(一方が高いと一方が低い)関係にある」
「外発的動機づけは一度始めると過剰になる傾向がある」
「データを得るときに、評価懸念や社会的望ましさなどの
バイアスがかかる可能性があるため、慎重に測定方法を考える」
「一つの統計の仕方だけでは本当に関連しているのか分からないから、
他の数値との関連なども見て、仮説の確実性を高める必要がある」
と言うところがとくに印象に残った


内容から得るものは多かったのだが、
プレゼンとしては最低に近いものだった。

心理学や経営学に携わって、企業と研究しているなら、
プレゼンのやり方ぐらいは最低限のマナーとして学ぶべきだ。

こういうことがきっと産学乖離の原因となるのだと思う。



・長岡 健氏 (産業能率大学情報マネジメント学部教授)
「やる気のある/なしは周囲が判断している」という
はっとさせられる切り口で話を展開していた。

「やる気がある」≒「評価者が利益を得る行動をしている」ではないか。
本人がやる気があるが、評価者の好ましいことをしていないだけではないか。
例えば、部下は「エコが大事だ」と思って、やる気を出して仕事に取り組んでいるが、
上司は「業績を上げることが大事だ」と思っていて、評価していないだけかもしれない。

つまり、グループ分けをすると、
「やる気があって、評価者の利益にもなることをしている人」…ア
「やる気があるが、評価者の利益になることをしていない人」…イ
「やる気は無いが、評価者の利益になることをする人」…ウ
「やる気ガ無くて、評価者の利益になることもしない人」…エ
に分けられる。

アとエは問題ないが、
イはやる気が無いとみなされ、
ウはやる気があるとみなされていないか。

そう考えると、
「本人のやる気が無い」と言う前に、
「誰が判断しているのか」「どのように判断しているのか」
「その判断はどのように受け入れられるのか」といったことを考えることが大事。

ということでした。


プレゼントしても迫力があって、
分かりやすく、かつ驚きを与えられる。
しかも、驚きの要素が1つではなく2,3個あることで、
強いオリジナリティを持つ内容になっている。

このような先生から学ぶ機会を与えられて幸せだと思う。

少し気になるとすれば、衝撃が多すぎて、
聞き手が思考停止に陥る可能性があると思う。
話に力がありすぎて、
このプレゼンが仮説であることを忘れている人がほとんどだと思う。

聞き手に考えさせて、質問をしやすくする工夫ができれば、
もっとこの仮説を発展させ、緻密なものにできると思う。



・会全体を振り返って

◇参加者は満足しているが、学べているのか。
learning barの重要な要素である、
「対話」について軽く説明できる時間があればもっと効果的な学びを図れる気がする。

また、自分の考えの変化がわかるような試みなどがあれば、
楽しさ以外を得られたかどうかも分かるのではないか、と思う。

この会に対して言っているのではないが、
満足度だけでイベントのクオリティを計る団体が多い気がする。
生徒が楽しんで帰るだけではいけないのと同じだ。


◇「やる気」が全てであるという錯覚を与える。
やはり、「やる気」についての会で、
ずっとやる気について考えさせられると、
「やる気万能思想」のようなものがしみこんでしまう。

「やる気を出す」あるいは「元気である」というのは
目標へのアプローチの一つでしかなくて、

凹むことや落ち込むことも重要である場面も少なくないと思う。

それを忘れてはいけない気がする。







学ぶことは多かった。

ただし、ここで学んだ「やる気」の知識と知恵を実生活に生かせないならば
自分にとっての会の意義はなくなってしまう。

やる気をしっかり育てようと思う。
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[モチベーション][やる気] みんなで「やる気」を科学する Learning bar @ 東京大学

行ってきました。 内容は中原淳さんのブログ参照。 その後、別の勉強会で知り合った人、たまたま久々に再会した人、それらの人々の知り合いやたまたま同じ場を共有した人など、総勢7名で「アフターラーニングバー」と称して、居酒屋で飲みながら語り合いました。 中原さん

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